片付けを頼む業者に許可があるか|尾道・福山・三原・世羅の名簿を並べて比べる

家から出た物を運ぶには市町の許可が要ります。4市町とも名簿を公開していますが、尾道市61者、三原市25者、世羅町5者と規模が違います。三原市と世羅町の名簿には品目を限った注記があり、名簿にあっても家財を頼めない業者がいます。

家庭から出たごみを袋にまとめているところ

対象地域:広島県

実家や空き家を片付けるとき、一度に出る量は普段のごみ出しの範囲を超えます。その運び出しを頼めるのは、市町から一般廃棄物収集運搬業の許可を受けた業者だけです。許可を持っているかどうかは、契約する前に自分で確かめられます。4市町とも名簿を公開しているためです。

ただし名簿の形も、載っている情報の量も、市町でそろっていません。名簿に名前があることと、その業者に家財を頼めることは同じではありません。

4市町とも公開しているが、規模が20倍違う

市町件数基準日
尾道市61令和8年4月1日
福山市100超令和8年5月1日
三原市25令和7年6月
世羅町5令和7年4月1日

世羅町の5者と福山市の100超では、選べる幅がまるで違います。福山市なら断られても次を当たれますが、世羅町では数日で候補が尽きます。依頼先が少ない市町ほど、早く動く必要があります。

尾道市と福山市はPDF、三原市と世羅町はページの中に表として置かれています。PDFのほうは検索から直接たどり着きにくいので、市のごみのページから探すことになります。

名簿にあっても家財を頼めない業者がいる

三原市と世羅町の名簿には、業者名のうしろに括弧つきの注記があります。

  • 三原市…(公社)三原市シルバー人材センターは「せん定枝・草木のみ」、(有)石原は「生木・草のみ」
  • 世羅町…(公社)世羅町シルバー人材センターは「木くず・草のみ」

庭木の剪定枝は運べても、家の中から出た家財は運べないということです。名簿にあるという理由だけで見積もりを頼むと、この3者では話が進みません。

世羅町は5者のうち1者がこれにあたり、さらに1者は三原市に所在しています。町内で家財をひととおり頼める相手は、実質3者です。

尾道市と福山市の名簿には、この注記が無い

尾道市の61者、福山市の100超のいずれにも、品目を限る注記は書かれていません。載っているのは業者名、所在地、電話番号だけです。

これを「制限が無い」と読むと間違えます。名簿に書いていないだけで、扱う品目や方法が業者ごとに違うことは、市の側も断っています。尾道市は「業者によって取扱品目・方法・料金等が異なりますので、各許可業者にお問い合わせください」、福山市は「料金については、各許可業者へお問い合わせください」としています。

つまり尾道市と福山市では、名簿を見たあとに電話で確かめる手順が必ず入ります。三原市と世羅町は、その一部が先に名簿へ書いてある、という違いです。

所在地は市内とは限らない

許可は市町ごとに出るものなので、市外の事業者がその市の許可を持っていることがあります。尾道市の名簿61者のうち9者は、所在地が尾道市外です。

  • 福山市…4者
  • 三原市…2者
  • 東広島市・広島市・府中市…各1者

世羅町でも5者のうち1者が三原市の所在です。逆に、市内の業者だからその市の許可を持っているとも限りません。見るのは所在地ではなく、片付ける家がある市町の名簿に名前があるかどうかです。

所在地が効いてくるのは、許可の有無ではなく往復の時間のほうです。三原市は中山間地域が広く、持ち込み先が市内に1か所しかありません。距離が見積もりに乗る話は三原の中山間地域で家を片付ける、納屋の中身が町のごみに出せない話は世羅で農家の実家を片付けるにまとめました。

なお、解体工事の補助金では「市内に本店・支店等を置く業者に限る」という条件が付きます。こちらは別の話です。条件は空き家の解体費に出る補助は市町で2倍違うにまとめました。

尾道は島に本社を置く業者が16者いる

尾道市内に所在する52者の内訳を見ると、因島に11者、瀬戸田(生口島)に4者、向島に1者あります。市内の3割が島側です。

島の家を片付けるとき、橋や船を渡る往復の時間がそのまま費用に乗ります。島に拠点がある業者なら、その往復が短くなります。島の片付けで先に確かめることは向島・因島・瀬戸田の実家を片付けるに書きました。

尾道市の名簿には、株式会社や有限会社のほかに、公益社団法人のシルバー人材センター、社会福祉法人、森林組合、軽自動車運送の協同組合も入っています。片付けを本業にしている会社だけが載っているわけではありません。

買取と処分は別の許可

ここまでは家から出た物を運んで処分する側の許可です。古い家具や器を買い取るには古物商の許可が要り、こちらは公安委員会が出します。2つは別のもので、片方しか持っていない事業者もいます。

一軒まるごと任せたい場合は、両方あるか、許可を持つ業者と組んでいるかを聞くことになります。買取と処分をどの順番で進めるかは遺品整理と買取はどちらが先?にあります。

「許可番号」が書いてあるチラシほど紛らわしい

片付けを始めると、ポストに不用品回収のチラシが入り、空き地に「何でも回収します」の車が来ます。ここで見るべきなのは、許可番号が書いてあるかどうかではありません。何の許可か、です。

環境省は無許可の回収業者を利用しないよう呼びかける資料で、こう書いています。「ご家庭のごみは、市区町村の責任の下で適正に処理する必要があります」「市区町村の許可や委託を受けずにご家庭のごみを回収業者が収集することは認められていません」。

そのうえで、無許可の業者の例として挙げられているチラシには、次の文言が並んでいます。

  • ご家庭の粗大ごみ、なんでも回収致します
  • 格安回収
  • 産業廃棄物処理業許可 ○○○○号
  • 古物商許可 ○○○○号

番号は載っています。ただし種類が違います。同じ資料は「産業廃棄物処理業の許可は、工場や企業の廃棄物を処理」するためのもの、「古物商の許可は、中古品などの売買を行うための許可です」と説明しています。どちらも、家から出たごみを運ぶ許可ではありません。

つまり「許可番号が書いてあるから安心」という読み方が、そのまま落とし穴になります。確かめるのは番号の有無ではなく、市町の一般廃棄物収集運搬業の名簿にその名前があるかです。上の4市町はいずれも公開しています。

環境省は理由も挙げています。「不法投棄、不適正処理、不適正な管理による火災などの事例が報告されています」「高額な処理料金を請求された事例もあります」。廃家電については、環境対策なしに壊すとフロンガスや鉛などの有害物質が放出されること、電池やプラスチックを含むため発火・延焼の危険があることも書かれています。

片付けの現場では、判断を急かされます。トラックが目の前にあり、重い物が積める人がいて、その日のうちに終わる。だからこそ、名簿を開くのは声をかけられた後ではなく、先です。物が積み上がって身動きが取りにくくなった家、いわゆるゴミ屋敷の片付けを頼むときも、確かめることは同じです。むしろ、この形の片付けは行政が動く枠組みを持たない土地が多く、段取りを家族が組むことになります。広島県にはごみ屋敷の条例が1つも無いため、頼む先を選ぶところから自分で決めることになります。

確かめる順番

  1. 片付ける家がある市町の名簿を開く。所在地ではなく、その市町の名簿かどうかで見る
  2. 候補の業者名が載っているかを確かめる
  3. 括弧の注記があるかを見る。三原市と世羅町は品目が限られている業者がある
  4. 注記が無い市町では、家財を扱えるかを電話で聞く
  5. 買取も頼むなら、古物商の許可があるかを別に聞く
  6. 見積もりは複数から取る。市は料金を決めていない

見積書のどこを見るかは遺品整理の見積もりで確かめることにまとめています。福山市の名簿の使い方は福山市で遺品整理を頼む前に、尾道市の一時多量ごみの扱いは尾道市のごみ分別は地域で5つに分かれているにあります。

なお、補助金を使う予定があるなら、業者を探す前に確かめることがあります。交付決定より前に契約すると対象から外れるためです。補助金を使うなら、片付ける前に順番を確かめるを先に見てください。

公式情報確認日:2026年7月28日(無許可回収業者に関する環境省の資料は2026年7月30日に確認)。件数と注記は、尾道市「ごみの収集運搬について」掲載の一覧(令和8年4月1日現在)、福山市「一般廃棄物の収集運搬ができる業者名簿」掲載の一覧(令和8年5月1日現在)、三原市「一般廃棄物(固形)収集運搬許可業者一覧表」(令和7年6月現在)、世羅町「収集運搬許可業者一覧」(令和7年4月1日現在)に拠ります。許可業者は入れ替わります。依頼の前に各市町の最新の一覧を確認してください。