対象地域:広島県
空き家の補助金で取り返しのつかない失敗は、金額の見込み違いではありません。順番です。
当サイトが扱う4市町の制度を並べると、金額も条件もばらばらですが、この一点だけは全部に共通しています。しかも、あとから遡ることができません。
どの市町にも同じことが書いてある
- 福山市…補助金の交付決定後に除却工事の契約及び着手をするものであること
- 三原市…補助対象工事の着手は、補助金の交付の決定後に行ってください
- 世羅町(家財)…事前に補助金申請し交付決定を受けたのち実施
- 三原市(家財整理)…事業実施前の申請が必要
- 尾道市…除却・家財とも、交付決定より前の契約や処分は対象外
表現は違いますが、言っていることは同じです。先に手をつけたら出ません。
なお世羅町の老朽住宅除却の案内には、この順序についての記述が見当たりません。書かれていないだけで例外とは限らないので、町へ確かめてください。
なぜ遡れないのか
交付決定は「この工事に、この額を出します」という市町の約束です。まだ行われていない工事に対して出すものなので、終わった工事には当てはめられません。
領収書があっても同じです。工事の内容が条件に合っていても同じです。順番が違うという一点だけで外れます。
「片付けが終わってから、そういえば補助金があるらしいと聞いた」という話は珍しくありません。その時点では、もう何もできません。
家財の補助では、片付けそのものが「着手」
解体の補助なら、着手とは工事のことだと分かりやすい。ところが家財の処分に出る補助では、家の中の物を運び出すことが着手にあたります。
実家の片付けは、たいてい少しずつ始まります。帰省のたびに袋を出す、粗大ごみを1つ運ぶ、業者に見てもらって一部を引き取ってもらう。こうした作業が、制度の上では着手になり得ます。
家財の補助を使うつもりなら、1つ目の物を動かす前に窓口へ相談してください。
先にやっていいこと、やってはいけないこと
相談より前でも進められる作業はあります。むしろ進めておいたほうが早くなります。
- やっていい…写真を撮る、寸法を測る、名義と相続の状況を確かめる、家の中の量を記録する
- やっていい…見積もりを取る。三原市は申請の必要書類に除却費見積書が入っており、見積もりは申請より前に必要
- やってはいけない…業者と契約を結ぶ
- やってはいけない…業者に家財を運び出させる
- 要確認…自分で市の施設へ運ぶこと。補助の対象が許可業者による処分に限られる場合がある
見積もりと契約の線引きが分かりにくいところです。金額を出してもらうのは可、頼むと決めるのは不可と考えてください。
交付決定までにかかる時間
順番を守るということは、その間は片付けが止まるということです。どれくらい止まるかは、家の事情で変わります。
時間がかかるのは審査そのものより、その前の段取りです。共有名義や相続財産では、共有者全員・相続人全員の同意書が要ります。連絡の取れない相続人がいれば、そこで数か月止まります。
解体の補助では、建物が対象になるかどうかの判定も先に受けることになります。名義の整理については尾道の実家を相続したらにまとめました。
締切は2つある
申請の締切だけを見ていると、もう1つの締切に間に合いません。工事や処分を終える期限が別にあります。
- 尾道市(除却)…令和8年度の募集は5月7日から11月30日まで。完了は令和9年2月末まで
- 福山市(除却)…申請は2027年1月末まで。ただし予算枠に達し次第終了。完了は申請年度の2月末日まで
- 世羅町(家財)…交付申請の日が属する年度の3月31日までに完了
- 三原市…募集期間の記載なし。窓口へ確認
福山市のように予算枠で早く終わる制度もあります。年明けに動き出すと、申請期間内でも受付が終わっていることがあります。
逆算するとこうなります。年度が明けたら窓口へ相談し、夏までに名義と同意を整え、秋に申請して交付決定を受け、冬に工事。この日程から外れると、翌年度へ持ち越しになります。
最初にすること
実家をどうするか決まっていなくても、窓口へ相談することはできます。使うかどうかは、条件を聞いてから決めればよいことです。
制度ごとの金額と条件は、家財の処分費に補助が出る市町と空き家の解体費に出る補助は市町で2倍違うにまとめています。直して使う方向なら空き家を直して使う補助を4市町で比べる、その多くが前提にしている登録の仕組みは空き家バンクは4市町で仕組みがまるで違うです。
片付けは、始めてしまうと戻せません。手をつける前の電話1本で、金額が変わることがあります。
公式情報確認日:2026年7月27日。尾道市・福山市の数値は2026年7月25日および7月27日に確認したものです。三原市のページの更新日は2025年4月1日および12月2日、世羅町のページの更新日は2024年4月17日で、2026年度の募集状況はページからは分かりません。募集期間と完了期限は年度ごとに変わります。着手前に必ず各市町の最新情報を確認してください。




