解体で別扱いになる物|アスベストの調査費用は発注者が負担する

解体の前に、建物に付いていて別扱いになる物があります。アスベストの調査は元請が行って書面で説明されますが、費用を負担するのは発注者の側です。浄化槽をやめたら30日以内に届出が要ります。

家財を運び出し、残す物も決めたあとに、まだ残っているものがあります。建物に付いていて、家のごみとしては出せない物です。それぞれ別の手続きが決まっているので、まとめて壊せません。

アスベストの調査は、工事の前に必ず入る

古い建物には、石綿を含んだ建材が使われていることがあります。アスベストと呼ばれるものです。天井裏や小屋組みの吹き付け、屋根や外壁の板、配管の巻き物などで、大気汚染防止法はこのうち政令で定めるものを「特定建築材料」と呼んでいます。法律の定義は「吹付け石綿その他の特定粉じんを発生し、又は飛散させる原因となる建築材料」です。

大気汚染防止法の第18条の15に、こうあります。建築物等を解体し、改造し、又は補修する作業を伴う建設工事の元請業者は、その工事が特定工事に該当するか否かについて、設計図書その他の書面による調査と、特定建築材料の有無の目視による調査などを行い、その工事の発注者に対し、調査の結果などを記載した書面を交付して説明しなければならない、と。

つまり、調べるのは元請の業者で、その結果を書面で受け取るのは発注者、つまり施主です。口で説明されて終わり、という形にはなりません。

その調査の費用を負担するのは発注者の側

同じ条の第2項が、ここを決めています。解体等工事の発注者は、元請業者が行う調査に要する費用を適正に負担することその他必要な措置を講ずることにより、当該調査に協力しなければならない、とあります。

見積書に調査の費用が立っていて、これは何かと聞かれることがあります。法律の側が発注者に負担を求めている項目です。削れる項目ではありません。

調査を行った元請業者や自主施工者は、その記録を作成して保存し、工事のときは記録の写しを現場に備え置き、調査の結果などを現場で公衆に見やすいように掲示しなければならない、とも書かれています。工事の囲いに紙が貼られているのは、これにあたります。

見積書の項目をどう読むかは残置物は解体業者が運べないことがあるにまとめました。家財の処分と調査の費用は別の行なので、混ざっていないかを見てください。

浄化槽は、使うのをやめた日から30日以内

下水につながっていない家には、庭や駐車場の下に浄化槽が入っていることがあります。ふたが地面と同じ高さに埋まっているので、住んでいた人以外は気づきにくい設備です。

浄化槽法の第11条の3に、廃止の届出があります。浄化槽管理者は、当該浄化槽の使用を廃止したときは、その日から30日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない、というものです。

解体で建物が無くなれば、浄化槽の使用も終わります。届出を出さないままにすると、書類の上では使い続けていることになります。家を壊す予定が決まった時点で、届出の窓口を確かめておいてください。都道府県が受け付ける形になっていますが、実際の窓口が市に置かれていることもあります。

槽そのものの処理は解体工事の一部になります。中身を抜いてから壊すことになるので、見積もりの段階で伝えておく項目です。

井戸とタンクは、位置を先に伝える

古い家には、使わなくなった井戸が残っていることがあります。ふたをして上に物を置いていると、庭の一部にしか見えません。

埋め戻すかどうか、どう埋めるかは、地域の決まりや水の事情によって変わります。市町へ届け出る形をとっている場合もあります。私のほうから一律の手順を書くことはできませんので、位置と大きさを業者と市の窓口に先に伝える、というところまでにしておきます。

灯油のタンクや、風呂の残り湯を沸かす釜が屋外に残っていることもあります。中に油が残っていれば、それは家財のほうとして別に出す物になります。

家電とパソコンは、建物と一緒に出せない

冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビの4種類は、法律で別の道筋が決まっています。パソコンも別です。空き家に取り残されていることが多い物なので、解体の前に抜いておきます。

市の施設が受け取らない物の一覧は尾道市のクリーンセンターへ持ち込めない物にまとめました。仏壇や消火器、注射針のように、家庭ごみではない行き先を持つ物は遺品整理で捨て方が分からない物で扱っています。

窓口が3つに分かれる

ここまでを並べると、話す相手が分かれます。

  • アスベストの調査と工事の方法 — 解体を頼む元請業者
  • 浄化槽の廃止、井戸の埋め戻し — 都道府県または市町の窓口
  • 家電、パソコン、家庭ごみではない物 — 市町のごみの窓口や指定の回収先

どれも、解体の日程が決まってからでは間に合わないことがあります。順番の全体は解体の前に片付けることに、補助を使う場合の順番は補助金を使うなら、片付ける前に順番を確かめるにまとめました。

空き家をそのまま置いておくと税の扱いが変わることもあります(空き家を放っておくと固定資産税が上がる)。壊した後の登記は建物を壊したら1か月以内に登記にあります。

別扱いになる物は、どれも見た目が地味です。だから最後まで気づかれません。気づいた時点で窓口を1つずつ当たっておけば、日程に押されることはないと思っています。

解体等工事に係る調査と説明、費用の負担、記録と掲示については大気汚染防止法第18条の15、浄化槽の廃止の届出については浄化槽法第11条の3の条文を、いずれも e-Gov 法令検索で2026年7月30日に確認しました。調査結果の報告が必要になる工事の規模は環境省令で定められています。井戸の埋め戻しの手続きは地域によって異なるため、市町の窓口へ確かめてください。