指輪と銀器の刻印を読む|K18は造幣局の証明記号ではない

刻印には、作った側が打つものと公の機関が打つものがあります。造幣局の証明は日の丸とひし形の数字で、証明を受けるかどうかは任意です。記号が無いことは偽物を意味しません。

鏡台の引き出しや仏間の小箱から、指輪や帯留め、銀の盆が出てくる。まとめて袋に入れる前に、明るいところで内側や裏を見てください。小さな刻印が打たれています。

袋にまとめる前に、刻印を探す

指輪なら輪の内側、ネックレスなら留め具のそば、盆や器なら裏の縁。刻印はたいてい目立たない場所にあります。

まとめて袋に入れると、どの刻印がどの品の物か分からなくなります。1点ずつ、刻印の面を上にして並べてください。

読めない大きさのことが多いので、拡大して撮ります。老眼鏡やルーペより、撮って画面で拡大するほうが早い。

刻印には、出所の違う2種類がある

ここが分かれ目です。刻印には、作った側が打つものと、公の機関が打つものがあります。

造幣局は、貴金属製品の品位を試験して、合格した物に証明の記号を打っています。その説明の中に、はっきりこう書かれています。

「K18、Pt900などの記号は造幣局の証明記号ではありません。」

よく知られた表示のほうが、実は公の証明ではないということです。造幣局はカラット表示の刻印を行っていない、とも書かれています。

だからといって、K18 の刻印に意味が無いわけではありません。出所が違う、という一点を分けて見るだけで足ります。

造幣局の記号は、日の丸とひし形の数字

造幣局の証明記号は、形で見分けられます。日本の国旗、つまり日の丸の図と、ひし形の中に入った数字の組み合わせです。

数字は千分率で純度を表します。金に750とあれば金の割合が75パーセント、銀に925とあれば92.5パーセント、白金に900とあれば90パーセントということになります。

区分の数も決まっていて、造幣局は白金を4区分、金を6区分、銀を5区分、白金と金を接合した製品を5区分で証明しているとしています。

カラット表示との対応も示されています。999がK24、916がK22、750がK18です。

平成24年4月に、数字の表し方が変わった

古い品を見るときに、これを知らないと迷います。平成24年4月以降に受け付けた製品から、国際的な規格と日本産業規格に合わせて表示が変わりました。

  • 純金属の表示は「1000」から「999」へ
  • 金の「917」は「916」へ、「417」は「416」へ
  • 「835」「625」「500」の区分は廃止された

ここで大事なのは、廃止された区分の扱いです。造幣局はこれらの記号が入った製品も、引き続き品位が証明されたものとして扱ってよいとしています。「1000」の表示も「999」と証明している品位は同じです。

つまり、いまの一覧に無い数字が打たれていても、それが証明の否定にはなりません。古い品ほどこの形に当たります。

呼び名にまぎらわしいものがある

片付けの場で言葉が食い違いやすい点が2つあります。どちらも造幣局が注意として書いています。

ひとつは銀です。スターリングシルバーと呼ばれるものは、銀の純度が1000分の925で、残りは主に銅とされています。純銀という言葉から受ける印象とは違います。

もうひとつは白い金属です。ホワイトゴールドを日本語に直せば「白金」になりますが、本来の白金はプラチナのことで、まったく別の物だと明記されています。

見た目はどれも白っぽい。だから、家族の記憶や箱書きの言葉だけで分けないほうが確実です。

記号が無いことは、偽物を意味しない

造幣局は、この制度の位置づけをこう書いています。

「このマークは任意の制度として設けられています。そのため、市販されている貴金属製品にはマークのない製品もあります。」

受けるかどうかは製造や販売をする側が決めます。だから、証明記号が無い品はいくらでもあります。無いことを理由に処分の山へ回さないでください。

同じページに「貴金属の品位は目で見てわかるものではありません」とも書かれています。黒ずんだ銀器を磨いてから判断する必要もありません。磨くかどうかの考え方は古い紙幣と硬貨が出てきたらと同じです。

撮るのは4か所

  1. 並べた全体。点数が分かるように
  2. 1点の全体。石の付いた物は石の面も
  3. 刻印。拡大して、数字と図が読める明るさで
  4. 箱や袋。書き付けや店名があれば近くから

刻印が見つからない品も、見つからないまま撮ってください。この進め方は名前の分からない古道具でも相談できる?と同じです。

手放すと決めた後の行き先

金属なので、ごみとして出すなら金属の区分になります。ただ、区分に出す前に一度確かめたい種類の品です。区分の呼び名は市町村ごとに違うので、自分の地区の案内を確かめてください。

買取も頼むなら、その業者に古物商の許可があるかを確かめます。家から出た物を運ぶ許可とは別の許可です。確かめ方は片付けを頼む業者に許可があるかにあります。

遺品整理の途中なら、処分と買取のどちらを先にするかで手順が変わります。遺品整理と買取はどちらが先?を先に読んでおくと、二度手間になりません。

1点ずつ並べる、刻印を撮る、記号の有無で決めない。この3つで判断は後からできます。実家の片付け中なら捨ててはいけない物として一度保留してください。

古い物の見方は古い物を手放す前のガイド、確認対象の例は相談対象になりやすいものにまとめています。

証明記号の意味、任意の制度であること、品位区分とカラット表示の対応、平成24年4月の表示変更、スターリングシルバーと白金の呼び名については、独立行政法人造幣局「貴金属製品の品位証明」および「貴金属製品の品位区分と証明記号」で2026年8月2日に確認しました。家にある品の純度を、この記事で判定することはできません。ごみの区分は市町村ごとに異なります。