実家をどうするかを考え始めると、墓のことが一緒に出てきます。家を手放すなら墓も動かすのか。動かすとして、何から手をつけるのか。尾道市の場合、先に要るのは市の許可で、その窓口は市内で3か所に分かれています。
遺骨を動かすには、先に市の許可が要る
いま遺骨が納められている墓地や納骨堂から、別の墓地などへ移すことを改葬といいます。尾道市の改葬許可申請についてによると、改葬にはいま遺骨が納められている墓地や納骨堂のある市町村長の許可が必要です。尾道に墓があるなら、移す先がどこであっても、尾道市に申請します。
手続きは3つ。改葬許可申請書に必要事項を書く。いまの墓地や納骨堂の管理者から、埋蔵(収蔵)の証明を受ける(管理者欄への記名もしくは署名が要ります)。申請者が署名して出す。管理者の証明が要るので、自分だけでは書き終わりません。ここに日数がかかると見ておいてください。
提出先は3か所に分かれている
市のページは、提出先を地区ごとに3つに分けています。
- 旧尾道市・御調町・向島町の地区 ── 尾道市役所 環境政策課(0848-38-9434)
- 旧因島市の地区 ── 因島総合支所 市民生活課(0845-26-6208)
- 旧瀬戸田町の地区 ── 瀬戸田支所 住民福祉課(0845-27-2211)
合併の経緯がそのまま窓口の分かれ方になっています。ごみの分別が地域ごとに5種類ある尾道市のごみの分け方と同じ形です。本庁へ行けばどれでも通る、とは限りません。自分の場合がどれに当たるかは、先に電話で確かめるほうが早い。
手数料は無料で、郵送でもできる
改葬許可申請の手数料は無料です。来庁が難しい場合は郵送でも申請できます。申請書のほかに、住所と氏名を書いて切手を貼った返信用封筒を同封します。遠方から実家の片付けに通っている人には、この1点が効きます。申請書の様式と記入例は市のページから取れます。
ここから先──移す先の墓地の受け入れや、石材店とのやりとり──は市の案内の範囲外です。この記事も、市の一次情報で確かめられるところまでにとどめます。
市役所の手続きは9つの分野に分かれている
尾道市はおくやみサポートとして、亡くなった方に関する手続きの案内と、申請書の作成の手伝いをしています。案内図によると、窓口は市役所本庁1階の4番窓口または各支所。持って行くのは、来た人の本人確認書類。遺言書があればそれも。相続人以外の方が来た場合は手続きできないことがあり、その場合は相続人の委任状が要ります。
手続一覧は、住民票・印鑑登録等/国民健康保険・後期高齢者医療保険/年金・恩給/介護保険/税金/農地・山林/福祉/子ども/その他の9分野。片付けと直接つながるのは後ろのほうです。固定資産税は相続人代表者の指定が要り、土地・建物の登記は法務局(広島法務局尾道支局)、農地は農業委員会、山林は位置図まで求められます。
片付けで出てくる物が、そのまま手続きになる
手続一覧を読むと、返す物・持って行く物として並んでいるのは、どれも引き出しから出てくる物です。片付けの途中で捨ててしまうと、あとで探し直すことになります。
- 印鑑登録証。返却する(紛失していれば不要)
- 資格確認書、限度額適用認定証、特定疾病療養受療証。持っていれば返却
- 介護保険の被保険者証、身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳、各種受給者証
- バス券・乗船券・マッサージ券・入浴券などの優待券
- 原動機付自転車のナンバープレートと標識交付証明書。廃車の手続きに要る
マイナンバーカードと通知カードは扱いが違います。市の案内は、税の申告や生命保険の手続きに必要な場合があるので、諸手続が落ち着くまで相続人が保管し、そのあと番号が分からないように廃棄するとしています。葬祭費の申請では、葬祭を執行した人が分かる会葬礼状や埋火葬許可証(控)と通帳が要ります。捨てる物の山に紛れやすい紙です。
手続きと片付けは、同じ日に始めなくていい
窓口の手続きには期限のあるものが混ざります。片付けのほうには、決まった開始日はありません。遺品整理はいつから始めるかに書いたとおり、効いてくるのは相続の期限のほうです。先に動かすのは、期限のある側。家の中の物は、そのあとでも遅れません。
ただし1つだけ順番が逆になる物があります。家財の処分に市の補助を使うなら、空き家の家財道具等処分支援の交付決定より前に運び出してはいけません。片付け始めてから申請すると対象外になります。相続登記や税の期限とあわせて、尾道の実家を相続したときも見ておいてください。
2026年7月28日に確認しました。改葬許可申請のページは2026年1月5日更新、おくやみサポートのページは2026年4月1日更新です。窓口と電話番号は変わることがあります。




