尾道市の空き家を解体する前に|補助金は契約より先に申請する

尾道市の空き家の解体には補助金がありますが、交付決定より先に工事を契約すると対象外になります。見積もりを頼む前に、申請の順番を確かめてください。権利関係が整っていないと、ここで止まります。

蔓に覆われ、軒とトタン壁が傷んだ空き家
写真:Kuroshio no Neko / CC BY 4.0Wikimedia Commons

対象地域:広島県尾道市

順番を間違えると、条件を満たしていても受け取れません。家財の片付けも、解体より前に位置します。

補助は「契約より先に申請」

尾道市特定空家等及び不良空き家除却支援事業補助金は、除却工事に要する費用の3分の2、上限60万円を助成する制度です。対象区域は市内全域。令和8年度の募集期間は5月7日から11月30日までで、受付は午前8時30分から午後5時15分までです。

気をつける点が2つあります。交付決定より前に契約または着工したものは対象になりません。そして令和9年2月末までに完了する工事が対象です。冬に申請して春に着工、という組み方はできません。

対象になる空き家は2種類

ひとつは市が認定した「特定空家等」です。ただし措置が命じられているものは除かれます。

もうひとつが「不良空き家」で、次の3つをすべて満たす建物を指します。

  • 概ね1年以上使用されていない
  • 過半が住宅として使用されていた
  • 構造の腐朽または破損などにより、著しく危険性がある

該当するかどうかは自分では決められません。事前に判定申請を出す必要があります。つまり申請の前に、もう一段階あるということです。実家の解体を今年度中に終えたいなら、逆算する起点はここになります。

止まりやすいのは、権利のほう

申請できるのは対象建築物の所有者かその相続人、または所有者等から除却の承諾を得た人です。ここに条件が重なります。

  • 共有または相続財産なら、共有者全員・相続人全員の同意書(または紛争が生じた場合の誓約書)
  • 土地の所有者が違う場合は、その土地所有者の同意
  • 抵当権など所有権以外の権利が設定されていないこと。権利者全員の同意があれば可
  • 市税等の滞納がないこと
  • 同じ年度内に、この補助金の交付を受けていないこと

建物の状態より、こちらのほうが時間を食います。相続人が何人いるか、連絡が取れるか。古い抵当権が残っていないか。11月30日という締切から逆算すると、家族への相談は片付けを始めるのと同時か、それより先です。

工事を頼める業者にも条件がある

尾道市内に本店、支店、営業所等を置き、建設業法の許可を受けているか、建設リサイクル法の解体工事業の登録をしている業者へ請け負わせる工事が対象です。市外の業者に頼むと補助の対象から外れます。

他の公的な補助金を受ける工事も対象外です。また、敷地内の附属物(樹木、門、塀など)の除却と、基礎を除く地下埋設物の除却は、補助の対象に含まれません。庭木や塀を一緒に片付けるつもりなら、見積書の中で分けて考える必要があります。

業者選びに迷う場合、市は広島県の建設業者一覧と解体工事業者一覧、それに市の入札参加資格者名簿を案内しています。

家財は解体の前に片付ける

補助の対象は除却工事です。庭木や塀すら対象外とされている以上、家の中に残った家財の処分費がどう扱われるかは、要綱を読むか、まちづくり推進課へ確かめてください。

ただ、補助の対象かどうかとは別に、家財を先に減らす理由があります。残置物が多いほど解体の手間と費用が増えること。そして家庭ごみとして市の施設へ持ち込めるものは、建物と一緒に壊してしまうより安く処分できることです。家電4品目や処理困難物のように、そもそも解体業者では引き取れないものもあります。

運び方は尾道市の粗大ごみの出し方、施設が受け取らない物は尾道市のクリーンセンターへ持ち込めない物にまとめています。残す物と処分する物の分け方は空き家の家財はどう処分する?で確認できます。

解体したあとに効いてくること

建物を除却すると、翌年度の土地の税額が増える場合があります。住宅用地の特例が外れるためです。金額の見当は資産税課土地係(0848-38-9162)で確かめられます。税額が決まるのは1月1日の状態なので、いつ壊すかで翌年度の額が変わります。

跡地の活用にも、建築基準法等による規制がかかることがあります。更地にすれば自由に使えるとは限りません。こちらは建築課指導係(0848-38-9245)です。解体後の跡地は、適切に管理することが求められます。

制度そのものの問い合わせ先は、まちづくり推進課住宅政策係(0848-38-9347)です。条件と様式は尾道市「特定空家等及び不良空き家除却支援事業補助金」に交付要綱と申請書が掲載されています。

公式情報確認日:2026年7月25日。補助金額、募集期間、要件、連絡先は年度ごとに変わります。ここに書いた募集期間は令和8年度のものです。着手前に必ず尾道市の最新情報を確認してください。

逆算すると、最初の一手が決まる

並べ直すと、こうなります。判定申請、権利関係の同意、補助金の申請、交付決定、契約、着工、そして令和9年2月末までの完了。家財の片付けは、このどこかで終わっていなければなりません。

尾道市の空き家に使える補助は、これだけではありません。中身を出す費用には家財道具等処分支援の補助があり、壊さずに直して使う場合は改修への補助が別にあります。壊すか直すかで迷っている段階なら、先にこの2つを見比べてください。金額の重みは市町で変わるので、4市町の解体費の補助を並べた記事もあわせて置いておきます。

解体を考え始めた時点で最初にやることは、業者を探すことでも見積もりを取ることでもなく、市への相談と家族への連絡です。尾道で片付けるときの全体の流れは尾道市で実家・空き家を片付ける前に確認したいことにまとめています。