遺品整理の見積もりで確かめること|金額より先に、内訳と追加料金を読む

遺品整理の見積書で先に見るのは総額ではなく内訳です。人件費、トラックの台数、処分費の3つに分かれているか。国民生活センターの相談事例には、当日に台数が増え、最終請求が見積金額の2倍を超えた例があります。

遺品整理の見積もりで確かめること|金額より先に、内訳と追加料金を読む

遺品整理の見積書を並べても、総額が違うことしか分からない、ということがあります。先に見るのは、その金額が何を数えて出ているかです。揉めるのも、高かったからではなく、聞いていない項目があとから出てくるからです。

見積書は「人」「車」「処分」に分かれる

国民生活センターの報道発表「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)に、内訳の書かれた相談事例があります。見積金額141,000円の内訳は、スタッフ4人の人件費76,000円、2トントラック1台25,000円、トラック1台分の廃棄物処理代4万円。

これは1件の相談であって、相場ではありません。ただ、費用が何でできているかは読み取れます。人と、車と、処分です。「作業一式」としか書かれていない見積書は、総額が同じでも中身を比べられません。

量はトラックの台数で数えられている

2トントラックの「2トン」は積める重さの呼び名です。家財は軽くてかさばるので、重さより先に荷台が埋まります。見積もりが台数で出てくるのはそのためです。

台数が増えれば処分費も積み上がります。さきほどの事例では、業者は1台積むごとに4万円の先払いを求め、3往復してその都度受け取りました。それでも荷物は残り、請求は32万円。見積金額の2倍を超えています。追加費用の説明は無く、見積書にも記載はありませんでした。

聞くのは金額ではなく、その手前です。この見積もりは何台分か。増えたらいくら増えるのか。増えたと誰が判断するのか。

現地を見ていない金額は、量を見ていない

電話やメールだけで出る概算は、家の中を見ていません。押し入れの奥、天井裏、物置、庭。数え漏らした場所があるほど当日にずれます。来てもらったら、金額と一緒にこれを確かめます。

  • 玄関までの階段と、家の中の階段
  • 前の道の幅。2トン車が入るのか、積み替えるのか
  • トラックを止める場所と、玄関までの距離
  • 家の中の通り道。家具を出すのに別の家具を動かさないか

どれも人件費に効きます。距離が長いほど1台積むのに時間がかかり、時間は人数と日数になって金額へ戻ります。坂の上や狭い路地ではこの差が大きくなります。その例は坂の家からの搬出に書きました。持ち込み先までの距離が効く例は三原の中山間地域です。

同じ報道発表は、出張料や見積料を請求される場合があるとして、呼ぶ前に見積もりが有料かを確かめるよう促しています。

本体の費用と別に立つ物がある

家電4品目は別扱いです。環境省の「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」によると、テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機が家電リサイクル法の対象で、引き渡すときに「リサイクル料金」と「収集運搬料金」が要ります。

エアコンにはもう1つ、壁から外す作業があります。それが見積もりに入っているのか、当日に別料金になるのかを聞いてください。ほかにも分けて聞く物があります。

  • 仏壇と神棚。供養を頼むのか、費用は誰が持つのか
  • 金庫、ピアノ、物置、大きな鏡
  • 庭木、土、石、ブロック
  • 汚れの残る部屋の清掃

分別も同じです。運び出すところまでか、地域のルールに合わせて分けるところまでか。手間の位置で金額は変わります。

キャンセル料は、契約の前に聞く

同じ報道発表には、3日間37万円で契約したあと、20万円で作業する事業者を見つけて解約を申し出たら、キャンセル料17万円を請求された事例もあります。説明は受けていませんでした。

別の事例では、見積書に「作業日の2日前まで違約金10%」と書かれていましたが、説明はありません。書いてあっても、読まなければ同じです。「今日決めてもらったら安くなる」と急がせる言い方も記録されています。見積書は持ち帰って読んでください。

同じ資料の注記によると、単なる見積りのために訪問を要請した事業者とその場で契約した場合は訪問販売にあたり、特定商取引法が適用されます。クーリング・オフができる場合があるということです。相談先は消費者ホットライン188

見積もりを頼む前に決めておくこと

  • 残す物と手放す物の線引き。決まらないと量が決まらない
  • 売れる可能性のある物を先に見るかどうか
  • いつまでに空にする必要があるか
  • 立ち会えるのは誰で、何日取れるか

許可の確認も抜けません。家庭から出た物を運ぶには市町村の許可が要り、産業廃棄物処理業や古物商の許可では代わりになりません。確かめ方は許可のある業者かは市の名簿で分かるに書きました。

買取と処分の順番は遺品整理と買取はどちらが先?、始める時期と期限は遺品整理はいつから始めるか、全体の手順は実家の片付けは何から始める?を見てください。

見積書は金額の紙ではなく、その日に何をするかを書いた紙です。読めない行が残っているうちは決めないでください。

本文中の金額は国民生活センターに寄せられた個別の相談事例で、料金の目安ではありません。個別の判断は消費生活センターへ。