古い食器は、底面の印、箱、素材、形、絵付け、数量、状態をまとめて見ます。買取や引き取りの可否は一律ではありませんが、捨てる前に確認できることはあります。
名前が分からなくても確認できる
器の価値は、有名な作家名があるかどうかだけで決まりません。無銘の器や日常使いの皿も、素材、つくり、今の暮らしでの使いやすさが判断材料になります。反対に、古そうに見える器が必ず売れるわけでもありません。
磁器か陶器かは、高台と音で見当がつく
専門の知識がなくても、手がかりはいくつかあります。器を裏返して、糸底(高台)の削られた面を見てください。そこは釉薬がかかっていないので、素地がそのまま出ています。
- 素地が白く緻密で、縁の薄い部分が光にかざすと透ける器は磁器に近い
- 素地に土の色が出ていて、厚手で光を通さない器は陶器に近い
- 指の背で軽くはじいたとき、高く澄んだ音がするのは磁器、鈍く低い音は陶器のことが多い
- 陶器は水を吸うので、長く使った物は貫入(細かいひび)に茶色い染みが入る
どちらかを言い当てる必要はありません。「白くて薄い」「土色で厚い」と見たままを書き添えておけば、写真と合わせて判断の材料になります。
底面・箱・印・数量を確認する
- 器の全体と横から見た形
- 裏返した底面
- 印、文字、シール
- 箱の表面、裏面、箱書き
- ふた、台、包み紙などの付属品
- 同じ物が何枚あるか
箱と中身が入れ替わっていることもあります。箱と器を別々に撮り、組物は全体が分かる写真も残します。名前が読めない場合は名前の分からない古道具でも相談できる?を参考にしてください。
数がそろっているかを先に数える
和食器は5客、洋食器は6客や12客で組まれていることが多く、そろっているかどうかが判断を分けます。1客欠けただけで扱いが変わることもあるため、まず数を数えてください。バラバラに見えても、箱を探すと組物だったと分かる場合があります。
蔵や納屋から出てくる膳椀や大皿は、10客、20客とまとまっていることがあります。冠婚葬祭で人を集めた家の道具です。数が多いこと自体が特徴なので、1枚ずつ並べる前に、まとまった状態を撮っておきます。
引き出物や贈答品として届いたまま、包み紙も解かずに押し入れへ入っている箱もあります。未使用のまま残っている物は、箱と中身がそろっている点が手がかりになるので、開けて確かめたあと元どおりに戻してください。
欠け・ひび・汚れを隠さず撮る
口縁や高台の欠け、表から裏へ続くひび、変色、油染み、かび、接着や金継ぎなどの修理跡を撮ります。硬貨や定規を横へ置くと傷の大きさが伝わります。食品に使う器は、見た目だけで安全性を判断できない場合があるため、状態が悪い物を無理に使いません。
強く洗う前に写真を残す
確認前は、乾いた柔らかい布でほこりを軽く払う程度にします。漂白剤、研磨剤、金属たわし、食器洗い機は急いで使いません。シールや紙ラベル、箱書きは、水にぬれると読めなくなることがあります。
陶器は水を吸うので、洗って乾ききらないうちにしまうとにおいやかびの原因になります。急いで水にくぐらせるより、乾いたまま置いておくほうが安全です。
椀や重箱のような漆の器は、扱いがさらに変わります。熱湯、食器洗い機、長く水に浸けること、直射日光はどれも避けます。乾いた布で拭くだけにとどめてください。表面が白く曇っていても、それは汚れではなく乾燥のことがあります。
金や銀の絵付けがある器も、研磨剤でこすると絵が消えます。「汚れているから、まず洗ってきれいにしよう」という手が、いちばん戻せない結果につながります。
茶碗が食器棚ではなく木箱から出てきたときは、器としてではなく茶道具のほうで見てください。棗や茶杓と組で使われていた物は、種類ごとに分けた時点で組が崩れます。鉄瓶も同じ場所から出てきますが、こちらは器ではありません。外側の黒は塗料ではなく漆で、洗剤と金属たわしで剥げます。
大量の食器は棚・箱ごとにまとめる
最初は食器棚の全体、棚一段、箱一つを撮ります。次に、同じ種類をまとめ、代表的な一枚の全体と底面、傷を撮ります。一軒分を最初から一枚ずつ並べる必要はありません。
手放すと決めた分の行き先も、早めに調べておきます。食器は自治体によって区分の呼び名が違い、割れ物として出し方が決められていることもあります。尾道市のように地域ごとに案内が分かれている市もあるため、尾道市のごみ分別は地域で5つに分かれているのような形で、自分の地区の案内を先に確かめてください。
買取も頼むなら、その業者に古物商の許可があるかは別に確かめます。家から出た物を運ぶ許可とは別の許可です。確かめ方は片付けを頼む業者に許可があるかにまとめました。
古い食器が売れるかどうかは、写真一枚だけでは決められません。それでも、底面、箱、数量、状態を残しておけば、処分前の判断材料が揃います。実家の片付け中なら捨ててはいけない物として一度保留してください。
古い物の見方は古い物を手放す前のガイド、確認対象の例は相談対象になりやすいものにまとめています。




